Kodai_Note

耳を澄ますように古代を感じる試み。

寺院

矢野顕子の『在広東少年』と江戸時代の僧侶・木喰の関係

矢野顕子の人気曲でYMOの世界ツアーでも披露された『在広東少年』という歌があった。アップテンポのハードでポップな曲だ。謎めいたイントロと開放的サビ、それをつなぐ印象的な歌詞はなかなかシビれる。 www.youtube.com 「黒色い瞳の中に赤い花が咲いて。…

鴨川から松原通、鳥辺野方面への道はあの世へのアクセスポイント

松原通に漂う並々ならぬ気配の深層 賑やかな四条河原町を南下し、鴨川を渡った松原通は清水寺に至る、細く古い道だ。 はんなりと雅やかな雰囲気が多い京都の町のなかで、この通りは独特な雰囲気を漂わせている。 民家がひしめく道すがら、お地蔵さんや寺院に…

夕日を礼拝し、浄土を思う。四天王寺、「日想観」。

上町台地から太陽を崇拝する、日想観という信仰があった。 その日は午後5時半を過ぎたころ、夕日が西門の間から徐々に沈んでいく。居合わせる人々は境内から手を合わせ、般若心経を唱えながら西の彼方に沈みゆく夕日を眺める。 これは、聖徳太子が創建した…

「お水取り」発祥の地 笠置寺 正月堂

東大寺の二月堂で行われている「お水取り」その発祥地となる笠置寺。 奈良や京都と比べると観光地として賑わっているわけではなく、ときおり、ハイキングで笠置山を登る人が訪れる程度の場所だが、どうしても自分の目でみてみたい史跡があった。 きっかけは…

3月14日、東大寺二月堂のお水取り 「十一面悔過(じゅういちめんけか)」

奈良の近くに生まれ住み、何度も奈良は訪れていたものの、お水取りを見に行ったのは初めてだった。白洲正子の「十一面観音巡礼」のなかで二月堂付近のトピックスに触れ、お水取りを始めた実忠という僧に興味を持ったことをきっかけに、ようやく足を運んだ。 …