Kodai_Note

耳を澄ますように古代を感じる試み。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

古代を通じてたどりつく私達の無意識

奈良や京都、あるいは飛鳥の地を訪ね歩き、古代について調べ、想いを巡らせていくうちに、なぜ、自分はこれらの事象に興味があるのだろいうと考えることがある。その原動力の正体を考えと、ゆかりの地を訪ね歩き、その地の古代の痕跡を感じてみようと感覚を…

「十一面観音」にまみえる聖林寺で出会ったもう一つの美

昨日、岡寺へ取材に行った際、足をのばして聖林寺を訪れた。伽藍を誇示することなく、山間の坂道、近隣の民家と木々に埋もれるように建っている。 曇り空、降りそうな湿気を感じながら、山門に繋がる階段を上った。 聖林寺は白洲正子著「十一面観音巡礼」で…

岡寺:法力で龍を退治した奈良仏教のルーツ、義淵僧正創建の寺

観音の申し子として生をうけ 良弁や行基を育てた傑僧義淵 明日香村の東、岡山の中腹にまみえるのが西国三十三ヶ所観音霊場*の第七番札所となる岡寺。 坂道を登り、門前町を横目に息を切らせて歩き、重要文化財に指定されている仁王門へ。 境内にはいると堂々…

興福寺に隣接する、東向商店街の真実とは?

東に位置する興福寺を忖度して生まれた東向き商店街? 近鉄奈良駅を地上にあがると、出迎えてくれるのが東大寺に向いて立つ行基像だ。そのかたわらには、「東向き商店街」という名の商店街が南北に延びている。商店街を南に少し歩くと東側に興福寺へつながる…

大阪の都心を貫ぬく大川、堂島川、安治川は人工の水路だった

難波堀江はどうしてつくられた? 大阪の都心を貫いて高層ビルやホテル、高速道路を水面に映し、大川、堂島川、安治川へと名を変える。豊かな水量を湛えて流れるこの川のはじまりが、人工的に掘られた水路だったということをご存じだろうか。 高層ビルが並ぶ…

かっては「岸辺の道」だった?「山辺の道」

「山辺の道」とは春日山の麓から奈良盆地の東に連なる小高い山やまの裾にそって南下し三輪山の麓まで続く大和の古代道路のひとつ。 全長35キロメートルの道の周囲には古寺社や古墳など、名所・名跡が点在し、四季折々の趣があって美しく、「美しい日本の歩…

十一面観音という仏教世界の入り口

古刹を見つけると、十一面観音の姿を探す。仏教関連書籍を紐解くと、十一面観音の名前を探す。盧舎那仏、大日如来、不動明王、数々の如来、菩薩、明王、天部がいるなかで、私にとって十一面観音菩薩は特別な存在だ。 十一面観音に惹かれる理由、一つにはそこ…

「頭塔」が私たちに語りかけるもの

それは、民家のすき間から姿を見せた 春日山原始林を取材した帰り道、高畑界隈にさしかかった民家の家々の隙間から不自然な瓦が視界に飛び込んだ。あれはなんだろう?と訝しみながら近付くと、それは不可解な建物だった。ピラミッドのような四角錐、 5段ほど…

平城宮跡のなかを電車が走る理由

奈良体験、最初のクライマックスなのだが。 大阪、難波駅から奈良に向かう近鉄奈良線の電車が大和西大寺駅を出てしばらくすると、車窓に壮大な歴史パノラマが広がる。 まず、右手に艶やかな朱塗りの朱雀門、そして左手には近年整備された平城宮跡と荘厳な大…