Kodai_Note

耳を澄ますように古代を感じる試み。

聖地

古代を通じてたどりつく私達の無意識

奈良や京都、あるいは飛鳥の地を訪ね歩き、古代について調べ、想いを巡らせていくうちに、なぜ、自分はこれらの事象に興味があるのだろいうと考えることがある。その原動力の正体を考えと、ゆかりの地を訪ね歩き、その地の古代の痕跡を感じてみようと感覚を…

「十一面観音」にまみえる聖林寺で出会ったもう一つの美

昨日、岡寺へ取材に行った際、足をのばして聖林寺を訪れた。伽藍を誇示することなく、山間の坂道、近隣の民家と木々に埋もれるように建っている。 曇り空、降りそうな湿気を感じながら、山門に繋がる階段を上った。 聖林寺は白洲正子著「十一面観音巡礼」で…

かっては「岸辺の道」だった?「山辺の道」

「山辺の道」とは春日山の麓から奈良盆地の東に連なる小高い山やまの裾にそって南下し三輪山の麓まで続く大和の古代道路のひとつ。 全長35キロメートルの道の周囲には古寺社や古墳など、名所・名跡が点在し、四季折々の趣があって美しく、「美しい日本の歩…

平城宮跡のなかを電車が走る理由

奈良体験、最初のクライマックスなのだが。 大阪、難波駅から奈良に向かう近鉄奈良線の電車が大和西大寺駅を出てしばらくすると、車窓に壮大な歴史パノラマが広がる。 まず、右手に艶やかな朱塗りの朱雀門、そして左手には近年整備された平城宮跡と荘厳な大…

鴨川から松原通、鳥辺野方面への道はあの世へのアクセスポイント

松原通に漂う並々ならぬ気配の深層 賑やかな四条河原町を南下し、鴨川を渡った松原通は清水寺に至る、細く古い道だ。 はんなりと雅やかな雰囲気が多い京都の町のなかで、この通りは独特な雰囲気を漂わせている。 民家がひしめく道すがら、お地蔵さんや寺院に…

淀川河口、西淀川区の地名の多くに「島」の字がつくわけ

「中島」「姫島」「御幣島」「歌島」「竹島」「出来島」「百島」「西島」……。神崎川と淀川に挟まれ、大阪湾に顔をのぞかせる大阪市の南西の角のエリア、西淀川区には島を冠する地名が多い。 淀川の河口付近に位置する地が「〜島」と名付けられた理由、それは…

パワースポットとして知られる天川村で「能」が栄えた理由

芸能の神様として多くの芸術家やタレントの崇敬を得、1989年に社殿の建て替えの際に行われた神事、正遷宮大祭には長渕剛やYMOの細野晴臣、環境音楽の大家 ブライアン・イーノを召喚しての奉納を執り行った天河大弁辨天社。 当時は、アーティストやニューエイ…

夕日を礼拝し、浄土を思う。四天王寺、「日想観」。

上町台地から太陽を崇拝する、日想観という信仰があった。 その日は午後5時半を過ぎたころ、夕日が西門の間から徐々に沈んでいく。居合わせる人々は境内から手を合わせ、般若心経を唱えながら西の彼方に沈みゆく夕日を眺める。 これは、聖徳太子が創建した…

「お水取り」発祥の地 笠置寺 正月堂

東大寺の二月堂で行われている「お水取り」その発祥地となる笠置寺。 奈良や京都と比べると観光地として賑わっているわけではなく、ときおり、ハイキングで笠置山を登る人が訪れる程度の場所だが、どうしても自分の目でみてみたい史跡があった。 きっかけは…

取材で歩いた熊野古道のコンテンツがアップされた

年明けに取材で歩いた熊野古道のコンテンツがアップされた。和歌山での「100の旅モデル」を史跡や神社仏閣、景勝地を軸に紹介する「わかやま歴史物語」という観光ポータルサイト。 私が担当したのは熊野古道エリア。「熊野詣で」を計画される方はぜひ、ご…

3月14日、東大寺二月堂のお水取り 「十一面悔過(じゅういちめんけか)」

奈良の近くに生まれ住み、何度も奈良は訪れていたものの、お水取りを見に行ったのは初めてだった。白洲正子の「十一面観音巡礼」のなかで二月堂付近のトピックスに触れ、お水取りを始めた実忠という僧に興味を持ったことをきっかけに、ようやく足を運んだ。 …